今回は、上海の食品加工企業の酷さが明らかになったが、これまではどうだったのだろう。
日本マクドナルドは、米国の企業と成形されたチキンナゲットを購入する契約。
その米国企業の下請けをしていたのが、上海の企業。
マクドナルドにとっては、チキンナゲットは脇役だったことでまだ救われるが……
これがハンバーぐだったら、マックは日本ではおしまいだろう。
マックの中興の祖と言われ、先般CEOを辞めた原田氏が、福武書店グループに。
経営力を買われた同氏を待っていたのが、顧客データ2000万件以上の流失問題。
CEOに就任後、なんと謝罪が最大の仕事。辞めたマックもなんと期を一にして、トラブルに。
顧客データの流出問題は、データ管理の提携先・派遣元の従業員の仕業。
元データを持つ企業の責任を追及することは不憫だが、管理を徹底できなかったことは確か。
その原因の一つには、自らの企業内でデータの管理・保全をせず、外部に委託する体制。
19年前に米国西海岸の会計事務所を視察した折に、初めて知らされたことがある。
それは、経営者であるCPAパートナーに必ずコンピュータ専門家がいたということ。
その責任者がデータ管理を専門として、外部への情報の流出を防いでいた。
そう、今からほぼ20年前のこと。
果たして、今の日本の会計事務所で、そんな責任者はいるのだろうか。
中国に話を戻すと、10年近く前に中国で記帳業務を行うことが、会計業界でもてはやされた。
給与が安い中国で記帳代行業務をやれば、報酬の安い顧問先を持つ会計事務所には朗報と。
しかし、今現在は、ほとんどの記帳代行会社は中国から撤退している。
採算が取れなくなっているし、日本語を理解できる人材は、給与の高い他の業種に移ってしまう。
そこには会社に忠実といった概念はないし、給料が高ければ、移るのは当然のこと。
今回の食品会社の衛生管理なども、職員たちには関係のない、給与をもらえればそれで良し。
その日の業務を滞りなくやればそれでおしまい。肉が腐っていようが、ある材料を処理すればいいだけ。
何とも恐ろしい話ではある。職業倫理という言葉は、隣国にはないのでしょうか。
それでも、そんな外国に頼らなければならない企業ばかりが栄えている。
何とか、国内に安全、安心な食品工場を保ち続けることができないのでしょうかね。
今回は事業承継と無関係ですが、やりきれない思いで書いてしまいました。
事業承継支援室長
大滝二三男