昔からよく言うのですが、税理士は30万とか50万、そして300万円の詐欺によく引っかかる、と。
税理士事務所がセミナー受講で、将来的には数億円の売り上げの事務所に成長するとか。
おいしいネタを満載にして、税理士事務所をターゲットにした商売が繁盛していたのも事実。
”騙された”と判っても、「いい勉強になった。その受講料だ」とやせ我慢をするのも税理士。
しかし、税理士の金銭感覚を疑うことにもなる事例が飛び込んできた。
ある税理士に、月額7万円の顧問料報酬を払う顧問先を、紹介したという人物からの話。
いわく、友人の社長を紹介し、その年間顧問料は100万円を超えていた。
紹介したときに、「お礼に」と、お寿司屋で一杯共にしたという。
それから後は、友人の話は一切なく、時に税理士に聞けば、好調ですよ、程度。
この100万円という顧問料は数年後に分かったのだが、すでに10数年がたっている。
その間、税理士の努力もあったのだろうが、顧問を継続。相当の顧問料収入が入っている。
「おかげさまで、紹介してくれた○○社さんは本当にいい顧問先です。ありがとうございます。」
そんな言葉は一言もないという。
その税理士だが、数年前からスポーツタイプのベンツで友人の会社に乗り付けるという。
その話を聞くにつけ、自分が紹介した顧問先からの顧問料がベンツになったと考えた。
一杯飲んだだけでおしまいかい。
ベンツを買えるまでになれたのは、誰が応援したから?
もちろん、その個人事務所は、現在4,5人の事務所規模を脱することはできていない。
所長の元気がなくなれば、自然と枯れていく事務所だろうが、いただくだけでいいのだろうか。
もしも、その顧問先の紹介者にそれなりの礼を尽くしていれば、さらに紹介も出ただろう。
十数年前の7万円の顧問料、これは個人事務所ではかなり高額。今だったら半額。
それを継続できたのはもちろん、先生のご苦労もあったのだろうが、支援者を失ったのは残念。
でも、そのことを実際、残念と感じてはいないだろう。
騙されて、30,50万円を無くすことより、一人の支援者を無くす方がつらいと思うのだが!
自己の成長に投資するのは当然。結果として騙されても、それこそ授業料とでも考えているのでしょうね。
そう、これは決して悪口ではありません。
そんな環境に税理士さんがいるという、一例を挙げただけの話です。
事業承継支援室長
大滝二三男