地方都市における商店や様々な企業が、後継者不足ばかりか、人口減で青息吐息。
少子化と首都圏や大阪などの大都市に若者たちが流失、地方都市は寂れるばかり。
さらに人気の観光地でも中高年の参加費用の安いツアーで盛り上がってはいるが、10年後は?
その年寄りたちが年金などの減額、さらに寄る年波で動けなくなれば、ツアーも今がピークか?
こうなると、ツアーに関連する人や企業は、どこにその生き残りを求めるのだろうか。
当然、廃業なども十分考えられるので、その影響は税理士事務所にも及ぶのは明らか。
ある地方では、今現在も税理士の平均年齢が60代半ばを超えているところも出てきている。
これらの地方では、税理士事務所自体の規模も小さくなり、当然収入も減少傾向になる。
しかも、後継者と目される人材は、首都圏をはじめとする大都市の大学に進学。
大学を卒業し、税理士試験に受かっても、そのまま大都市の税理士事務所や法人に就職。
勤務税理士として修行をして、その後出身地に戻るかと思えば、そうではない。
結婚でもしてしまえば、ますます、大都市から離れる可能性は限りなく、少なくなる。
取り残された地方都市の事務所は、当然閉鎖するところが増え、減少の歯止めがないのが現実。
顧問先がないのだから、そこで事務所を開業しようという若手税理士がいないのは当然。
そんな中で、大都市圏の税理士法人に勤務する若手税理士は増える一方。
そこで勤務を終えて、新規に個人事務所を開業するかといえば、これまたなかなか難しい。
開業のための初期費用もかなりの額に上るし、優良な顧問先を確保するのは至難の業。
引退する税理士の事務所を承継することができる勤務税理士も、それほど多くない。
というのも、個人事務所の場合には、税理士を雇っていない所が圧倒的に多いから。
だから、余程気脈の通じた間柄でないと、そう簡単には承継話は回ってこない。
結果的に大都市圏に就職し、勤務税理士として働かざるを得ないことになる。
とにかく、少子高齢化で地方都市は疲弊するばかりだから、戻りたくても戻れないのだ。
阿倍首相が地方都市を活性化すると大見得を切ったが、税理士事務所も期待したいところ。
しかし、東京への一極集中がここまで進んでしまうと、10年後の事務所の大幅減は避けられない。
結果として、大規模税理士法人のチェーン店化に拍車がかかることになるのだろう。
事業承継支援室長
大滝二三男