多くの個人事務所で、税理士の家族が働いています。
本当に都合のいい専従者給与と言うシステムに、胡坐をかいている人も少なくありません。
しかし、事業承継や経営統合で経営の効率化を図ろうとするときには、これが弱点になります。
当然、個人事務所の経営者として、頭では理解していても、いざきっちとした対応を、となると大変です。
まず、専従者や家族従業員の理解を求めなければなりません。
一般の従業員よりも給与が高いのが”常識”ですから、まずこれを一般のレベルに下げる必要があります。
仕事の内容はともかく、給料を下げられるとなると、”抵抗”するのはこれまた当たり前。
先生の説得次第では、経営統合などの話もと頓挫する例も出てきます。
”お父さんが言うのもわかるけど、もともと給料が安いのだから、下げないでよ”
こんなことを言う家族も出てくるようですが、その給与は果たして仕事の内容を反映しているのでしょうか。
そう、これは水掛け論に似たやり取りとなります。
結局、先生個人の意見を押し通せば、家族もそれに従うことになります。
高齢の先生で、後継者がいなければ、事業承継をするしか、家族従業員も仕事を失う羽目になる。
それが見えているのだが、その時間はなるべく遅いほうがいいと、抵抗もするわけです。
しかし、時間がかかればかかるほど、事務所のお客さんは減っていきます
本当に事業承継の決断をするのは難しいことですね。
家族が一緒に働いていなければ、結論も早いのですが、いかがでしょう。
後継者がいない中小零細企業経営者と、同じ局面に立たされている先生も少なくないのです。
事業承継支援室長
大滝二三男