本当によくある話ですが、職員が退職し、お客さんを持って行ってしまう話。
ある税理士事務所に勤務して20数年、いわゆる”番頭さん”的な存在の職員が退職。
その理由が、所長が何の相談もなく事業承継話を決めてしまったのが、気に食わないという。
後継者のいない経営者が、職員の雇用も確保できる相手をやっとの思いで探しだした。
そこで、職員に発表したところ、「相談なしとはけしからん」と言ったかどうかは分からないが、大反対。
通常業務を取り仕切ってきたと自負する”番頭さん”、自分の意思が通らないとみると退職を決意。
「いやなら辞めろ!」ということで、退職願を受け取ったまではいいのだが。
退職後、”番頭さん”の担当していたお客さんから次から次へと、契約解除の申し出。
雇用期間中にも誓約書で、「退職時には顧問先を勧誘しない」との約束に署名し、判をしていた。
他の事務所に移った”番頭さん”は「お客さんが勝手についてきたので、自分は勧誘していない」の一点張り。
大幅にお客を取られた先生としては大損害。承継先の事務所にも顔向けができない。
そこで、裁判で決着をつけようということになったのだが、その結果はどうなるのだろう。
これまではほとんどの先生が泣き寝入りしていたようだが、先生の勝算はいかに?
事業承継支援室長
大滝二三男