8月13日が盆の入りというのが日本の常識、ではありません.東京などでは7月13日が盆の入りになります。でも、お盆休みといったときに東京に育ったものでも、おおよその方が8月をイメージしますよね。
私も東京育ですが、子供の頃は7月の盆お入りに家で迎え火をたいていました。でも、親父が8月13日になくなったので、「お父さんは、死んですぐに帰ってきた」なんて母親が話していたのを記憶しています。ですから、お盆は2ヶ月続くんだとも当時は思っていました。
もちろん、子供の頃は旧盆は夏休みにはいっていますから、特別なときとは思いもしませんでしたが、歳も取り、先祖が行った道が近づいてくると、やはりこの時期は特別になります。田舎がある方は望郷の念に駆られるときでもありますね。
東京に出てきて、一念発起、税理士試験に合格し、独立開業。家族も養い、東京で立派な事務所を作り上げた方でも、やなり田舎に帰るとなると、胸を張って帰りたいと、さらに精進を重ねたことでしょう。そんな方が家族で考えをまとめられる時期もやってきます。
もちろん、東京に育ち、家庭を持った人たちは7月のお盆は忘れ、お嫁さんが地方出身であれば、旧盆に嫁さんの実家に行くのが慣例となり、男の子の親は寂しい思いをします。ですから、息子たちとじっくり話をするといったこともほとんどありません。
それに反して、地方に事務所があり、お子さんも都会に出て家庭を持った人などは、このお盆の時期が大変貴重でもあります。墓参りでご先祖様にご挨拶をするとともに、自分の将来を家族に相談し、事務所をたたむきっかけになる時期でもあります。
税理士さんの場合、生涯現役を続けることも可能ですが、歳とともに体のどこかが痛んだり、常に薬を服用しなければならないような状態にもなってきます。時には体が、そして頭も言うことを聞かないことに気づくようにもなります。それが普通になります。
ですから、「おとうさん、もういいでしょう」と引退を勧める奥様も多いのですが、そのふんぎりがなかなかつきません。そんなときに子や孫たちの顔を見、話を聞き、「もう良いか」という結論になるそうです。お盆とはそんな日々だとも言います。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。