40年も事務所をやっていると、営業力も大幅に落ち込みます。
しかも、子育ても終わり、孫の顔を見るのが楽しみといったところから、孫まで成人すると。
孫への興味もなくなり、お金も充足してしまい、仕事にも力が入らなくなる。
”生涯現役”とはいうものの、事務所経営の目的が従業員の生活を守ることに傾注!
面倒くさいことはもういい。無理にお客の顔を立てなければならないこともない。
事務所顔を出すのも徐々に少なくなり、仕事も従業員任せ。
ただし、申告書だけは最終チェックを行う。これが最大の仕事。
そこで出た叫びが、「面倒な客は断れ!」
こんな極端な先生は、ごくごく少数だと思われる。
しかし、事業承継をせずにそのままにしておくと、お客さんも減少し、事務所が立ちいかなくなる。
そうなると、従業員の給与も払えなくなり、中には年金で給与支払いの補てんをしている先生も。
従業員も気が気でない。いつ事務所が閉鎖されるか、不安は拡大する。
しかし、少なくなった顧客を見ると、元気な事業所も少なくなり、将来展望は真っ暗。
だからといって、事務所が承継されるとなると、これまた反対を言う。
職員の雇用が守られることで、経営者としては気分的に楽になる。
引き継ぐ先生も士気の上がらない事務所を引き受けるのは、大変なこと。
それでも、一度に多くの新規顧客を確保できると考えれば、時間を買ったと思い、納得。
もちろん、こんな事務所ばかりが、事業承継を望んでいるわけではない。
本当にこんないい事務所を手放すのと、正直問いただしたこともある。
それ相当の理由があるのだが、やはり十人十色、事業承継もいろいろです。
事業承継支援室長
大滝二三男