今年の確定申告の状況をお聞きしますと、小規模の個人事務所の売り上げはほとんどが減少。
税理士法人でも、家族法人はこちらもあまりよくないようなことを聞きます。
中規模の税理士法人ですと、新設法人からの問い合わせが多くなり、小規模ながらアップ。
大幅に売り上げを伸ばしている法人も、営業に相当エネルギーをかけ、コストが大幅に増加。
この時期に営業をかけておかないと、自然減で、組織を維持するのも大変というわけだ。
そこに来て、4月からの消費税アップで、少なからず顧問料の減額要請などが出てきそう。
つまり、顧問料をアップできずに、消費税を抱え込む結果になる事務所は、もう大変。
税理士事務所の収益は15~25%程度、消費税が3%アップで、利益の10%が飛んで行ってします。
そこで、消費税込みで顧問料を請求していた事務所でも、これを機会に税抜きの金額を提示。
外税で、しっかりと8%の消費税を”預かろう”という姿勢を初めて出した事務所もある。
もっとも、売り上げが1000万円以下の事務所もあるので、こちらは何も心配なし。
そもそも消費税を請求していないのだから、特別問題なし。
しかし、このようの小規模な事務所は、先生一人で事務所を回しているから、先生の健康次第。
難しい問題を抱えるような顧問先は、鼻から請け負わないので、主に帳面つけが仕事。
そして、年に一回の決算と申告書の作成、収入の多くが先生の生活費に。
一番苦しいのが、売り上げ3000万円から5000万円の事務所だろうか。
当然、8%の消費税に抵抗する顧客層を抱えているのも、この階層。
抵抗というより、3%のアップに対応する、それだけの収益を挙げていない企業も多い。
となれば、顧問料なども当然3%アップは望むべくもない。
取引先から3%アップした消費税を受け取れない企業も少なくないから、顧問料にもダメだし。
経営を共に考える顧問税理士にとっては、非常に厳しい春を迎えることになる。
もう事務所を閉めます。引き継いでくれる人はいませんか?
そんな声が聞こえてくる昨今。
システム提供企業もサポート体制を敷きつつあるが、果たしてその効果は?
事業承継支援室長
大滝二三男