県庁所在地より、列車で1時間ほどの地方都市での話。
広々とした事務所に、4人の女性職員の机と5メートル離れたところに応接セット。
訪問すると、その応接セットで先生から事業承継の話がスタート。
過去に若い先生の事務所と統合し、共同事務所を運営。(だだっ広い事務所を納得)
しかし、上手くいかずに1年もたたずに、共同事務所を解散したとのこと。
先生も80歳を超えて、気力体力ともに減退。退け時と判断してのご相談。
高齢ゆえに話し声も大きく、さらに女性職員4名はすべて在所。
実は応接セットの裏側に水屋があり、仕事も手につかに様子で、職員がちょこちょこ寄ってくる始末。
どうやら、耳をそばだてるだけでなく、近くに来て、話の内容をチェックしている模様。
秘密の話をしたくとも、その状況ではできない相談。
そこで、場所を変えて、近くのレストランで話をし、承継先を探す依頼を受けた。
その足で、帰京したのだが、翌日、先生より中止のご託宣。
その理由は、女性職員が「先生が元気なうちは自分たちががんばる」と宣言。
要は、高齢の先生のもとで、自分たちの自由な仕事がしていたいということ。
今のそんな環境を変えてほしくないという、職員のわがままが通ってしまった。
先生にとって2度目の挫折。多分3度目はないだろうと、全く気の毒な話。
実はこんな例はそこら中にあります。どうですか、先生??
事業承継支援室長
大滝二三男