事務所の所長さん・お父さんが何らかの事情で、第一線で働けなくなったお子さんからの相談です。
お子さんが有資格者であれば、もちろんこのような声は私どもには届きません。
税理士試験に挑戦中だが、まだ試験に受かるには時間がかかるから、助けてほしいというのでしょう。
でも、お父さんが病気で、それこそ時間を争うようであれば、そんな悠長なことはできません。
というのも、繋ぎというのは、すでに試験科目4科目に合格し、後は12月の結果を待つばかりなら分かります。
しかし、まだ科目合格もしていないお子さんからの連絡であれば、”繋ぎ”という表現は妥当ではありません。
合格の可能性が少ないお子さんがいる事務所の繋ぎの税理士を紹介したらどうなるでしょう。
言わずもがなですが、その事務所はいつの間にか、繋ぎの税理士の事務所になってしまします。
何時まで経っても試験の合格できない息子さんは、いつの間にかいる場所が無くなって行きます。
そうなった時に、お母さんがバックアップする力が強ければ、息子さんもがんばれるでしょう。
しかし、そんなことは長くは続きません。
税理士事務所の経営は、資格がすべてですから、所長の息子であっても、力にはなりません。
実務ができるのであれば、税理士が代わっても、お客さんの支持がありますから、仕事はできます。
とはいっても、事務所を代表する”顔”になることはできませんから、そのうちつらい立場になります。
こんな状況では、当支援室で税理士資格者を紹介することは致しません。
所長先生のご家族が不幸になる可能性が多きので、このような要請にはお答えしません。
なかには、そんな状況でもいいから、後継者として紹介してほしいという税理士もいます。
でも、紹介はしません。必ず、トラブルになること請け合いだからです。
長く所長の下で、勤務税理士として働いてきた人でも、所長先生のご家族とは一戦交えることとなります。
その後どうなるかといえば、どうしたって税理士の方が強いわけですから、ご家族は退散です。
そうなら、どうするのでしょう。回答は実務でお答えします。
事業承継支援室長
大滝二三男