税理士事務所の事業承継のサポートを始めて、足掛け9年。
単純に後継者を探せばいいんだろう、とスタート時は考えていました。
そこには、人生ドラマをほとんど感じる余裕はなかったように思います。
ところが、ここ数年、自分が経験したことのないドラマに組み込まれているように感じています。
まさに十人十色の事業承継劇が展開されます。
その多くが親子間の葛藤です。
子供に資格がなければ、自分の事務所を継げさせることができない。
何とか、資格を取ってほしい。税理士試験に何年かかっても合格してほしい。
なんで、受験勉強に集中できないのだ。
数年間我慢をすれば、自分と同じように必ず試験に受かるはずだ。
でも、時代が違います。そして、試験も違います。税法も複雑になっています。
落とすための試験で、国家資格の中でも、その最たるものが税理士試験だともいわれます。
そうなんです。とにかく難しくなり、業務をやりながらの受験勉強も、試験頭を弱くします。
こんな状況で、税理士である父親と息子さんが相談行きます。
明らかに期待が大きすぎる父親と、過重な期待に押しつぶされそうな息子さんが一緒に。
このような事態に、我々はどのような対応をすればいいのでしょうか。
事業としては、無事、事業承継の相手を探し、契約まで持っていくのが目的。
しかし、相談を受け、悩みの解決策がすぐに承継しなくてもいいこともあります。
このケースでは、弊社は無料奉仕となります。
でも、それで親子間の葛藤が、”暗闘”にならずに、いい関係を維持できれば、結果は良しです。
格好の事例を紹介しませんが、実際には親子の”喧嘩”も起こります。
その際には、双方が言いたいだけ、言わせます。ちょっと、無礼かもしれませんが…
素直に感情を露わにされるわけですから、当方を信じていただけていると理解した上ですが。
大概この場合は、話はいい方向に行きます。親子間の断絶は起こりません。
話が非常に抽象的ですが、許してください。
話が長くなりますので、明日はまたこの先を書いてみたいと思います。
事業承継支援室長
大滝二三男