よく言われますが、高齢になるとボケる心配があるので、それを避けるためにも仕事を続けると。
確かに老人性痴呆は誰にでも来る心配事。
事実、仕事を続けている税理士さんでも、当然痴呆となり仕事を辞めざるを得ないれ例も数多くあります。
先だっても、そう言った案件を処理しましたが、職員がしっかりしていなければ、引継ぎもうまく行きません。
ですから、そうなる前に”予防的な措置”として、信頼できる税理士さんと業務提携をするのもいいのでは。
将来的に事業承継をすることを条件に、仕事の一部を肩代わりしてもらい、信頼関係を充実させます。
その際には、しっかりと将来の承継を見越して、対価のことも文書にしておくべきでしょう。
最終的に「言った」「言わない」の議論になった時に、この文書があれば鬼に金棒です。
しかし、今回の事例では、すでに徐々にではありますが、仕事を減らされています。
それでもお医者様から、「一遍に仕事を辞めると、ボケますよ」との”注意”を受けています。
50年も税理士稼業を続けてきた老先生には、仕事を辞めるのは大変なことです。
ご家族も、日ごとからの健康状態が心配であるとともに、仕事を辞めたらどうなるのだろうと不安です。
今回は2社の通常業務を残して、事業を若手税理士に承継することにしました。
当然、この2社も将来的には引き継ぎますが、しばらくは先生のお付き合いで、仕事を続けてもらいます。
今回の先生より若く元気のいい税理士さんの奥さんも「仕事を辞めたらボケるからね」
ハッキリ言い渡され、業務を継続しながら、若手と業務提携をしました。
「これで自分に何があっても心配なし。がんばるぞ!」いっそう元気に仕事を続けています。
税理士さんにとって、仲間の税理士さんと経営の話をするのは、ほとんど皆無。
業務提携などという契約にはなれていません。でも、転ばぬ先の杖は必要だと思います。
もちろん、優秀な経営センスのある後継者がいれば問題なし。言わずもがなでしたね。
事業承継支援室長
大滝二三男