事務所を閉めたいのだが、これまで頑張ってくれた職員の行く末が不安だ。
「承継先で、職員を雇ってもらえるのだろうか」、こんな相談が当支援室に寄せられます。
税理士を辞める時に、これまで戦力だった職員の行く先を担保したい。
ご自身では、なかなかその面倒を見ることができない。
雇用主として、仕事ができる人材を切り捨てることは、人情からして、できない。
たとえ、税理士試験に挑戦し、結果的に”合格”の通知を手にすることができない人でも。
税理士本人が仕事を辞める際に、そんな職員を雇用してくれる承継先を確保したいと考える。
事業承継の現場で当支援室は、譲り渡す税理士の要望を100%聞くようにする。
その要望を基に、多くの候補者の中から、一番適切と考えられる引き受け手を決めます。
もちろん、当支援室の決定ですから、交渉の過程で、候補者が変わることもあります。
先月もこの過程のなかで、承継者は代わりました。
承継者と譲り渡す側の先生との”思い”に、大きな違いがあったからです。
それは、職員の処遇の問題でした。
譲り渡す先生は、これまで通りの給与体系を望みましたが、承継先はノーでした。
こうなると、原点に戻り、雇用条件を受け入れてくれる承継者を探すのが一番です。
どうでしょう。事務所を承継するのは、金銭問題だけではありませんね。
事業承継支援室長
大滝二三男