税理士事務所の年間のスケジュールを見ると、メーンイベントは圧倒的に確定申告期。
3万件の税理士事務所・税理士法人が繁忙期と設定している時期である。
とはいうものの、ここ数年3月15日の期限ギリギリまでかかるといった事務所も少なくなっている。
これは国税庁が”必死”に利用を呼びかけた、電子申告の普及によるところが大きい。
個人事業のデータもほとんどが、電子データになっていることもあり、手作業が大幅に減ったため。
しかし、いまだに領収書の束を持って税務署の無料相談に駆けつける”不届きもの”も少なくない。
こんな時期に事業承継をするのは不可能だ、という譲り渡す側の税理士さんがいる一方、
この時期を外すと、顧問先との”遭遇”が1年後になってしまうという、引き受け側の事情もある。
3月には決算期を迎える法人も控えているので、3~5月は税理士にとっては”稼ぎ時”。
それだけに5月の申告を終えてから、事業承継するケースが多いのも事実だ。
そのため、承継の対価を算出する際に、確定申告のお客さんの判断基準がはっきりしない。
このリスクを避けるために、見直し作業を契約後1年経ってから行っているわけだ。
そこで、承継の一番適切な時はいつかだが、これは1~2月が絶好のシーズン。
そんな忙しいときに承継などできないよとおっしゃる税理士さんが圧倒的。
しかし、承継を始めてみると、1年に数回しか会わないお客でも、この時期には必ず会う。
そん機会を利用して、承継する先生とともにお客に面談すれば、実務と顔見世が一遍で済んでしまう。
税金に対するお客さんの考えも分かるので、引き継ぐ税理士にも至極好評。
引退を考えている税理士さんは、その段階で申告書の作成などほとんど職員がすべてやっている。
出来上がった申告書をチェックすることも慣れたもの。先生はそれほど多忙ではりません。
ですから、この時期に承継すれば、一石二鳥。申告明けにはのんびり余生を楽しむこともできます。
当然、今から承継話を始めたのでは、今年の確定申告では間に合いません。
どうか来年の1,2月を目途に、考えを巡らせてほしいものです。
事業承継支援室長
大滝二三男
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