今年初め、73歳の税理士さんがガンでお亡くなりになりました。
支部長などを経験され、人望ある先生で、退任後も支部の先生からの相談を受けていました。
そんな相談の一例ですが、昨年春に、同じ地域で事務所を開いていた63歳の先生が急死。
職員も数人いましたので、すぐにでも事務所運営を引き継ぐ税理士さんを探さなければならなくなりました。
そこで、亡くなられた先生の奥さんが、「どうしても!」とお願いしたのが、元支部長の、その先生でした。
幸い、元支部長の事務所には税理士資格者を持った人がいましたので、直ちに承継ができ、職員全員移籍。
無事、お客様に迷惑をかけることなく、承継も終了。急死された先生のご遺族もホッと一安心でした。
それから半年立った昨年暮れ、承継された先生にもガンが見つかりました。
この病気、早期に発見されれば命を落とすこともないのですが、ガンが発見された時は、一切兆候なし。
それまで半年ごとに定期検診は受けていましたので、発見された時にはステージ4で、余命半年の宣言。
まさかまさかの出来事でした。しかし、先生はガンであることを公表。その後も会合などにも積極的に出席。
好きなゴルフも亡くなる2月前までプレーを楽しんでいました。
先生の葬儀には多くの参列者がその遺徳をしのびましたが、経営されていた事務所は承継はスムーズに。
勤務されていた税理士数名が共同運営する形で、税理士法人を設立し、承継されました。
それにしても、カリスマ的な経営者の個人事務所が、このようなスムーズに承継できるケースは貴重です。
何かと思惑の違いで、分散してしまうのが普通ですが、やはり亡くなられた先生の仁徳だったのでしょう。
今でも、皆さんが元気に事務所を守っているのが、よくわかるような気がします。先生のお人柄でしょう。
事業承継のご相談で、やはり一番多いのが、この病気を原因として事業承継です。
どうか身体だけは常にチェックしてほしいですね。健康あっての事務所経営ですから。
事業承継支援室長
大滝二三男