事業承継の仕事をしていると、何より重要なのが、信用。
信用なくして、個人のプライバシーを話してもらうことはできません。
個人情報を知ることなく、事業承継の実務を進めること、これまたできません。
当たり前のことですが、当方への相談の多くが、中高年の先生がほとんど。
約束の時間を守らないケースは、5分10分の遅れはあっても、それ以上ということはなし。
面談日を決めて、都合ができたからとといって、日時を変更する時にも、数日前には連絡が来ます。
ご自身の事業を他人に継承する決意があるだけに、万難を排して、約束を守ります。
でも、若手の税理士となると、その辺があやふや。
自らの事務所を閉鎖して、他の先生の下に移ろうとしていながら、面談日の前日に、突然キャンセル。
「相手が見つかったから、紹介される先生と会っても、よい返事ができないだろうから」というのがその理由。
当方に紹介を依頼しながら、ほかにも二股三股。面談日まで時間があったので、ほかの話を聞いたという。
当方も、数少ない若手税理士との遭遇に、少々戸惑っていたのだが、「その日でなかっただけでもね」
電話があってすぐにお相手の先生に連絡。「今度の機会にお願いします!」との明るい声に、ホッとする。
失われた10年、20年の中で職を求めた世代だけに、信用してじっと待つ事が出来なかったようだ。
そんな税理士に大事な会計の仕事を任せる優良企業はあるだろうか? 他人事ながら心配になる。
事業承継支援室長
大滝二三男