税理士が従業員を雇わずに処理する顧客からの報酬だけでは、余裕のある生活は不可能だろう。
税務署を定年になり、年金をもらう税理士であれば、自宅兼事務所で職員を雇わずに開業可能。
しかし、一般的には顧問先を定期的に訪問する税理士にとって、最低一人事務職員が必要になる。
顧客の増加に合わせて事務所拡大
若手の税理士であれば、開業からしばらくは、奥さんも夫唱婦隨で事務所に出ることもある。
顧問先が少なく、収入も充分でなくとも、数年後の姿を見据え、夫婦で頑張るうちに、徐々にお客も増加。
仕事が増えた段階で、事務所も自宅から賃貸ビルの一室となり、その時初めて職員を雇う。
そもそも人を雇えない時代
これは、実は一昔前の税理士事務所の一般的な成長スタイル。今は同じ成長曲線は描けないのが、現実だ。
そんな歴史を歩んだ事務所の、今の最大な悩みは、即戦力になる職員ばかりか、そもそも人が雇えない事。
業務に精通し、頼りにしていた職員が、親の介護などを理由に退職すると、その後釜が見つからないのだ。
そればかりか、初めて経理業務をやる、いわゆる素人を募集しても、規模の小さい所には誰も来ない。
しばらくは、関与先を他の職員に振り分け窮地を乗り越えるが、後任が採用できないまま時間は経過。
しかし、いつまでも残っている職員に過重な労働を要求するには限界があり、職員数にあった仕事に修正。
つまり、職員の補充を諦め、関与先を減らことで、職員の退職に対応しなければならない状況が続く。
昔はひっきりなしに面接
10年前には、職員の募集業務に奮闘する奥さんを、その苦労から解放するため、承継を決めた先生がいた。
その当時は、職員の移動が激しかったが、募集すれば、応募者は多く、毎日面接に大忙しだった。
それだけに互いに再婚の夫婦には、職員募集で体を壊しかねない状況から脱出するのは急務だった。
これに対して、今は応募する人がまったくなく、将来は従業員対策で仕事も縮小しなければならなくなる。
まとめ
それを考えると、規模を縮小する前に事業承継した方が、経営者として精神的に楽だろうと承継を決断。
事務所経営30年、税理士事務所経営者の平均年齢に達していないが、腹を決めるのは今しかない。
もう、人で苦労することから″卒業″しても、自分のやりたいことに注力する。第二の人生にスタートだ。
こんな税理士を応援するのも、弊社の任務だろうと考え、最適と思える相手を紹介し、無事契約を終えた。