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なぜ親族での事業承継は失敗するのか

更新日:

税理士事務所の事業承継を仲介者し始めた時に、ビックリした事例がありました。

親族間の事業承継です。

妹の配偶者に資格を取らせて承継

相談を受けた時には、父親の税理士が寝た切りになってから数年後、税務署の総務課長が臨場し、結果、事業承継を勧められたという。

それを機会に、事務所の実務を担当する長男と、妹が相談。二人とも税理士資格がない。

出した答えが、妹の配偶者が税理士になり、事務所を引き継ぐこと。

当時は、会計と法律の修士課程を大学院で修了し、論文をクリアすれば、税理士になれた。その制度を利用し、妹の配偶者が資格を取得。

事務所を継ぐ最低限の権利は得た。

実務はさっぱりの後継者候補

兄は顧問先を日々まわり、顧客の相談にも積極的に対応してきた。その一方で、義理の弟は、税理士だが、実務はさっぱりできず。

そんな状況に、妹は兄の存在が疎ましくなっていた。と言っても、自分の旦那が事務所を経営できる能力はないことも分かっていた。

そんな時に元気だった母親が、脳溢血であっけなく亡くなってしまい、兄妹の相談相手がいなくなってしまった。

母親の葬式が終わり、改めて事務所経営に関して、兄妹で話し合うことにしていたが、どういうわけか妹夫婦は事務所は引き継ぎないと、去っていった。

寝たきりではあるが、コミュニケーションは取れると、妹の配偶者・税理士がいなくても、事務所は継続できると判断。

しかし、仲介を依頼されるきっかけは、やはり税務署のアドバイス。申告書類にサインができないから、事業承継すべきだというもの。

まとめ

弊社も注目するところだが、税理士家族の事業承継は、当然資格がなければ、引き継げないのがこの職業。

でも、実務経験のない新米税理士が、事務所経営ができるとは考えられない。兄妹ケンカで事務所がなくなってしまうのは、何とも情けない。

親族が事業を引き継ぎ、破綻する例は様々な、なぜそうなるのか、多くの事例を今後も紹介し、トラブル対策の参考にしてもらいましょう。

 

  • この記事を書いた人

大滝二三男

事業承継・M&A支援室長

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