ある金融アナリストが「世界経済は金融だけで回っているご時世、云々」と発言しています。
確かに香港などでは、お金に関する情報が溢れています。
観光ついでに、金融商品を購入する形でのツアーも少なくありません。
リーマンショックの数年前から、税理士を対象に香港で金融商品の紹介セミナーが盛んに行われていました。
事実、そこに参加した税理士やその顧客が多くの金融商品を購入していたそうです。
現在では、そのような業者ばかりでなく、普通の税理士さんが当たり前のように金融商品を買いに行きます。
現在の日本の金融商品を考えたら、当然といえば当然でしょう。
預貯金では、その資産を倍にしようとすれば、なんと720年もかかると言いますから。
資産フライトが盛んになると、指をくわえていた国税当局も海外資産のチェックのため、報告を義務付けました。
そんな日本に愛想を尽かし、タックスヘイブンである香港やシンガポールに移住する人も増えています。
実際に会計人もその中に含まれていますし、会計業務は日本と現地の両方で行っています。
相続税や贈与税を考えると、その資産は国に”没収”されるのを防ぐためにも、当然といえば当然でしょう。
資産のある人はそれができますが、資産のない若者はどうすればいいのでしょう。
前にも書きましたが、長期国際分散投資をするのが一番のようですが、その業者選びが問題。
AIJのような業者を選んでしまったら、泣くに泣けない事態にもなりかねません。
日本人は”絶対元本死守”に慣れ切っていますから、リスクがあることに気づきません。
そのリスクをカバーできる商品を探すことこそ、資産を守ることになるのでしょう。なかなか難しいこと。
事業承継を考えている中小企業の社長さんたちは、関心がありますから、だまされることもしばしば。
わが業界の先生方に、このような金融商品に対する情報収集・提供を期待する向きもあります。
”ハイパーインフレの足音”が聞こえてきたときにはもう遅い。
「税理士先生、お願いしますよ。先生はお金の専門家でしょう?」
計算はしますが、決してお金の専門家ではないのですが、お客さんは藁をもすがる思いになる前が肝心です。
「どうします、先生?」
事業承継支援室長
大滝二三男