100歳を超える税理士さんが全国に数名いらっしゃるようです。
お客様と元気に応対されているかどうかは定かではありませんが、素晴らしいことです。
昨日は70歳後半を迎えた先生の事務所閉鎖の話を書きましたが、今回は90歳を迎えようという先生の話。
この年齢からどこのだれかが分かってしまいそうなので、守秘義務違反が怖いところ。
でも、元気に現役続行をお話しするのだから、許されるのではないだろうかと、勝手に解釈。
一度はすべてやめようと決意されました。それも体がついていかないから、気力も失せてきていた様子。
お会いする際も耳も遠く、話をするのも大きな声でしゃべらなければならず、周りを気にしながらの会話。
当方が要求する資料についても電話では「はい、わかりました」とはいうものの、伺うと準備されていない。
「電話でおねがいしましたが?」と言っても、「はあ、そうでしたかね」と暖簾に腕押し状態。
そんな会話が続いていたが、承継を希望される先生と面談されると、「お願いできれば、結構ですね」
こんな具合で話が進み、一応契約も終わり、いざ承継のための引継ぎが始まった。
引継ぎの細かい内容については、お客様の情報も入ることから、当社の担当者は遠慮するのが普通。
1週間の後に、引継ぎの様子を承継者に訊くと、「先生はまだやる気ですよ。どうなってんでしょうね?」
こちらも唖然。さっそく、90歳を迎える先生に連絡すると、「うん、ボケるといけないから、少しやるよ」
考えてもいない返事が返ってきました。もう書棚にある税法の解説書は10年前のものばかり。
最近は税理士会にも行っていないし、研修会ももちろんすべて欠席。それでも「ボケないために」事業続行。
事業を継続すると言っても、本当に馴染みの社長さんの確定申告だけ。しかし、年一だけに心配が増幅される。
そんな他人の心配など聞いてはおれません。とにかく、税理士は辞めずに一部業務を続けるの一点張り。
承継者も説得をあきらめ、お客さんとなるはずの一部を先生に残し、他の引継ぎを実行された。
この点で、当支援室の判断は引継ぎのできたお客さんのみが承継の対象だけに、承継者もそれで安心。
三方一両損というか、老先生だけが一両得をしたような、90歳を迎える税理士の”承継劇”でした。
こんな例もたまにはあるんです。確かにすべての承継劇に、同じものがないのが、素晴らしい。
事業承継支援室長
大滝二三男
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