税理士の父親を亡くした娘さんからの連絡が入りました。
家族は一切税理士業務にタッチしていなかったので、
事務所をどう処理していいのかわからないという内容でした。
先月は、税理士である父親が痴呆になり、
家族が税理士事務所業務を続けるにはどうしたらいいかという質問がありました。
両方とも、本来は事務所の経営にタッチはできないのですが、
家業である事務所運営を税理士を雇っても続けたいという”強引さ”にあきれました。
しかし、今回は本当にどうしていいのかもわからいとのこと。
事務所のお客さんを外の税理士に紹介すればいいのだが、その相手も分からないとのこと。
税理士仲間がいるはずだが、中には家族も事務所経営の実態を一切知らない、
こんな事務所も中にはあります。
先生はおひとりで事務所をやっていたとのことで、お客さんのことなどは分からないのが当然。
果して、お客さんは先生の提供するサービスに満足されていたのでしょうか。
分からないことだらけのご相談でしたが、税理士さんを紹介することが決まり、相談者もひと安心。
相談者の一番の関心事は、実は弊社の報酬だったのですが、この点は特に丁寧にご説明し、
十分納得いただけました。
しかし、紹介する先生との交渉は、これから弊社が担当するわけで、十分な対価が確保できたとしても、
これは弊社が考えて妥当としても、依頼主が納得するかどうかは分かりません。
もちろん事前に十分説明をしますが、先生が亡くなった後での承継事例では、
お客さんが大幅に減少することもあります。
そんな事実を目の当たりにすると、こんなはずじゃなかったと言われ太事例もあります。
でも、今回の依頼者はそんなふうには見えませんので、まずはよい相手を紹介することからスタートです。
それにしても、税理士さんの事業承継では、このように家族を戸惑わせることが少なくありません。
お客さんに遺言を薦める前に、ご自身でも準備をお願いしたいところです。
事業承継支援室長
大滝二三男