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業界人の突然の死!!

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先週、業界人に一人が他界した。全国を股に駆け、営業で走り回っていた。

税理士さんを相手に商売するという意味では、私たちの同志であり、年に数回地携帯電話に連絡がきた。

その内容は、「○○先生に連絡してください。事務所の承継を希望していうんですよ。」

顔が広いから、地方の先生から、それもほとんどが地元の有力な先生からの伝言であった。

紹介された先生に連絡を取ると、「××さんから聞いたんだけど、この地方で案件があったら、」云々。

彼の人柄を現すように、電話の先から”信頼”の言葉が端々に出てくる。

電話があった時に、相当な案件があることは少ないが、数年経ってから、紹介できたというものもあった。

彼にしてみれば、その営業の一環として、お客様とのつながりを深めるための方策であっただろう。

紹介際に案件を紹介できなかったのは、こちらの責任だが、事前に一切金銭の授受はないので、おとがめなし。

金銭が絡むようなことがあれば、彼からもそんな気楽に紹介されることはなかっただろう。

全力で、営業実績を上げる努力をすることはもちろんだっただろうが、それも信頼関係があってのこと。

彼のいないその組織が、今後困難な道を歩くだろうが、営業対象の会計事務所の場合はさらに深刻だ。

責任者である税理士が死亡した途端に、事務所の閉鎖が決まるわけで、従業員も路頭に迷うことになる。

病気療養などが長く続いくケースでは準備もできるが、彼のように突然のことでは、右往左往するばかりだ。

しかも、税理士さんの場合はほとんど一人親方だから、すぐに代わりを務める人を探しても、見つからない。

もちろん、税理士会の支部などが世話をしてくれるが、遺族が満足するかどうかは大いに問題がある。

つまり、死亡した直後などは、事務所の状況などを把握できていなかった遺族も、葬儀などが終わった後に後始末の時期になると、いろいろな問題点が分かってくる。

一般の中小企業と同様に、経営権を維持できるはずと考える遺族も時には出てくる。

そこで従業員たちとの軋轢も生ずる。先生の遺族は自分たちの主張が通ると思っているが、事務所業務を行っている職員たちにも、自らの立場をよくしたいという”意欲”も出る。

そんな時、お客さんと一緒に他の事務所に移籍してしまうといった状況にもなる。これは法律上実は問題ない。つまり、先生の死亡とともに、顧客との契約関係は切れるから。

そこが遺族にとっては理解できないことで、「職員がお客を盗って行ってしまった」と叫んだところで、だれもその訴えを正当化することはできない。その防御策は、事前の対策しかない。

事業承継の仕事をしていると、こんな訴えは毎年あるが、遺族に対して法律上、前述のとおりいい返事はできないわけで、先生は”遺言”を書くとともに、自らの事業承継対策をしっかり立てておく必要があります。

還暦を過ぎたばかりで突然死した知人の人懐こい顔を思う浮かべる時、事業承継では対策がなければ、遺族には紛争の下を残すだけであることを税理士さんに知ってほしい訴えたいとつくづく感じる。 合掌

事業承継支援室長
大滝二三男

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大滝二三男

事業承継・M&A支援室長

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