事業承継の仕事始めは、もちろん承継案件がなければなりませんが、相談者との双方の守秘義務契約。
当支援室では、アドバイザリー契約と呼んでいますが、その中についでに手数料も明示したります。
でも,この契約書のメインテーマは、あくまでも守秘義務を守ろうというもの。
というのも、譲り渡す側の年商等を知るために、過去の確定申告書や青色決算書を提示していただきます。
顧問先の確定申告書を作成するのが、仕事の税理士さん。その確定申告書を他人に見せることはありません。
でも、当支援室では、これがなければ仕事になりません。そこで、我々も守秘義務を負うわけです。
税理士さんは、職業上も当然守秘義務を負っていますが、当支援室とは税理士業務に関しては直接関係なし。
税理士さんの、言ってみれば財布の中身を知る立場ですので、我々が守秘義務を放棄すれば大変なことに。
その契約書に、譲り渡す側の先生がなかなかサインしないという事態によく出会います。
こちらに仲介を依頼しながら、一番始めに契約すべきものですが、どういうわけかサインをされません。
だからといって、仲介業務が前に進まないかといえば、そうではないのです。
年商等が分かる必要書類も出されますし、紹介するお相手とも会うこともします。
先日のケースでは、「本契約の時に一緒に渡します」といって、その通り、事業承継契約後に渡されました。
アドバイザリー契約所がなくても、重要な秘密事項もしっかり提出され、こちらとしては何ら障害がありません。
ひょっとすると本契約まで至らなかった場合の違反事項等も書かれていますので、そこがキーポイント化も。
ところが、契約に必要な情報とも十分提供されたうえ、本契約の日時まで決まっても提出なしも。
これまた、例のないことでしたが,捨印はしない、といったケースがありました。
捨印を押して、その後に文書を変えられてはたまらんというわけでしょうか、でもこれも本契約が終了。
形を作ろうとするより、実質が重要ですから、当支援室ではアドバイザりー契約にこだわりません。
昨年、一切契約書にサインすることなく、中途で亡くなられたケースがありました。
当然、本契約まで行きませんでしたので、遺族に対して中途までの費用を請求することもありません。
後でわかったことですが、この先生なんと弁護士との間でも契約書を結んでいないということでした。
そのため、弁護士が費用を請求しても、スズメの涙しか払わなかったと聞きました。
こうなると、費用を払いたくないから契約書にサインしないのだと勘ぐられてもしようがないでしょうね。
そんなケチなことではないでしょうと、考えてもみましたが、その心は分かりません。
でもやっぱり、契約があって初めて動けるので、どうか契約だけはしっかりしてほしいものです。
事業承継支援室長
大滝二三男