「承継の対価は何を基準にするんですか?」「譲渡代金はいくらくらいですか?」
電話の向こうから聞こえてくる質問、疑問のなかで最も多いものが、上記の2点。
答えは「事務所の経営内容を確認してから、評価しますから、一概には言えませんね」
質問される方が、どのような対応をしようとしているのかはっきりと言って頂ければ、こちらも答えようがあるのだが、「一般論で結構です」と言われると、答えは「さまざまですので、一般論といっても難しいですね」と。
さらに「事務所の評価は年商でするんですか?」
この質問をするのは、承継先を探そうとされている方。
それに対しては、「事務所の収益力なども参考にします」
そしてほとんどの方が御自分の立場を、こちらが聞くまで言わないのが普通。
弊支援室では、個人情報を守ることを第一に仕事をしているだけに、先生方がフルネームも言われないのも当然理解していますが、本当の答えを言うにはやはり双方が身分を明かして、初めてできることもあります。
もちろん、茶化しの電話かどうか、こちらも十分注意を払っています。現実に承継の仲介を頼まれたときに、「電話では、こう言ったでしょう?」と追及されても困ります。そのため、話はどうしても抽象的になってしまいます。
どうか、事務所を承継されたいと考えている税理士さんにお願いです。
承継の対価を考えるときには、どうかご自身が引き渡す側に立っていただきたい。簡単にお客様を獲得されたのではないでしょうから、その汗と涙もご想像ください。
お相手は一生に一度のことです。どうかそのお気持ちを十分ご理解のうえ、手を上げてください。
事業承継支援室長
大滝二三男