確定申告が始まり、税理士事務所はこれからが大変な時期。電子申告の導入で、早期の事務処理が実現できるようになり、初日の16日、すべての申告を処理したという事務所も出ています。
「ここ数年で最も早く事務が終わった」と、所長さんも鼻高々。これも日ごろから、職員とともに業務を推進してきた賜物。申告処理をほぼ終えた事務所には、お菓子と飲み物がいっぱい。
この事務所では日ごろから、ムチと飴。それは所長からのほめ言葉と職務が怠慢だと判断されると大声で叱られることもある。でも、仕事がスムーズに進むと、職員全員の前で、褒め称える。
怒られることはあるものの、自分の職務が十分評価されたときには、所長からの金一封を含めた褒め言葉が贈られ、職員たちは常に前向きだ。それが確申初日で業務終了という結果。
誰でも褒められれば悪い気持ちはしないし、たとえそれが所長のテクニックであっても、決して恨まれることはないはず。職員全員の前で評価されれば、次は自分の番と前向きになるのは当然。
それにしても日本人は人を褒めることができない人種のようだ。やって当然。給料をもらっているのだから。それでも褒め言葉には一切経費はかかっていません。どうでしょうか、所長さん。
もう褒めることも叱ることもできなくなりました、といった所長さん。そろそろ、経営者としての職をバトンタッチされたらいかがでしょう。職員やお客さんのためにもいいのではありませんか?
事業承継支援室長
大滝二三男