パソコンで事務処理ができるようになって、時間とお金が格段に省力化できるようになりました。
とにかく、訪問して商談をするより、パソコンによるメールの交換で、ことが済んでしまうということが普通になりました。
米国では、営業もその商品の内容と掛かる費用を知らせてくれれば、インターネットを利用してすべての条件が判断できるから特別に会う必要を認めません。
日本の慣習からすれば、商取引に担当者が直接会わずにすべてを決めていますことなどできなかったのですが、今はもそういった慣習もなくなりつつあります。
必要な品物を必要なときに、インターネットで調査し、その商品を販売する企業のサイトを利用して購入する。まさに人が介在しなくても商取引は可能です。
そこを何とか人間のつながりで商売をしなければいけないというのは、確かに会計事務所にはあります。でも、人間関係がなくてもできる分野はあります。
毎月の決算や資料の授受などは、担当者がどうしても必要なのかといえば、答えはノーです。必要な資料などは宅配便で送り、必要な会話はメールでも可能。
わざわざ顧問先に伺わなくても事務は十分こなせます。そういった事務の流れを採用している事務所も最近はだいぶ増えてきました。
顧問先の方が、担当者との接触する時間はもったいないと感じている向きもあります。担当者にとっては自己主張ができある唯一の時間ですが、それももう。
コスト管理をって徹底している企業では、自社でできることを自社でやった方がコストカットできると、会計事務所に対する依存度を減らしています。
こうなると、税理士事務所の収入の道はかなり狭くなります。毎月記帳代行するから顧問料がいただけるのに、顧問先が自社内で帳簿等を完備できれば、、
単純な記帳代行業務はお金が取れません。多くの税理士事務所がそこで飯を食っていたわけですから、これからは経営は非常に厳しくなるでしょう。
そうなってくると、税理士事務所の評価はどこで判断するのでしょうか。事務量が少なく、顧問先が満足できるサービスを提供できなくなれば、評価は大減点。
単なる税務申告を代行するだけで顧問料を得ていた時代は、もう終わりになるのではないでしょうか。税理士さんも経営者としても厳しい時代を迎えます。
事業承継の現実の場面でも、過去のように経済成長が望めないときに、税理士事務所の発展性はほとんど考えられませんから、評価は当然下がります。
どうしたら成長する事務所を作ることができるのか、本当に難しい時代ですが、先生方がお客様にこの厳しい時代を乗り切る方策を知らせることが第一。
ともに困難を乗り切ろうとする姿勢がなければ、多分今後の成長は望めないでしょう。助けを求めているのは今のすべての経営者でしょうから。
事業承継支援室長
大滝二三男