国税出身の税理士さんの事業承継は、一般的に先輩から後輩にと引き継がれます。そう何代も続いている例もあります。
昨日も書きましたが、生涯現役の元税務署長さんもきっと近い将来に元部下の税理士にお客さんを紹介することになると思います。
承継をしようと決めた先生のご家族は知らされないことが往々にしてあります。元気なうちはいいのですが、これが病気で寝込んだりすると問題発生です。
呑んだ折などに「○○ちゃん、そろそろうちの事務所頼むよ」なんて言われ、その気になっていても、いざそのときになっても一切音沙汰なしとか。
そうかどうかは分かりませんが、最近は元税務署職員だったという方からの承継の依頼が増えてきました。先輩後輩の絆が切れてきたのでしょうね。
ご自身は先輩から承継したが、それを証明するかのように事務職員はほとんどそのまま引き継いでおり、そろって承継に反対したりする始末。
職員も若いときにはどこへでも行くわ、と意気込むことはあったが、今では先生死ぬまで頑張ってくださいと居直る始末。それでも、先生にはお金が必要。
高齢になって、資産を十分蓄えた人ならともかく、十分高齢化しているにもかかわらず、資金的にショートしている人は後輩に承継するなんて考えてもいない。
義理人情が薄くなったと嘆く高齢者もいれば、そんなことはそっちのけ。お金がなければ何もできないよという現実派もかなりの数いらっしゃる。
ハッピーリタイアメントを勧める当支援室でも、誰から引き継いだかなんて宣せ苦は一切しません。先生の事務所を正当に評価してくれる方にお願いします。
それにしても、斡旋の禁止で、先輩からの承継を期待する定年組には何と寒さが身にしみる師走となっていますが、今後は国税OB はどうなるんでしょうかね。
地方に圧倒的に多い国税OBの先生方、どうか後輩にもチャンスをください。しっかり後を引き継ぎますので。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。