中国に工場を建設するために大失敗した中小企業は少なくありません。その相談に乗った先生方も大きな痛手を負いました。
中国国内で工場を建設するためには合弁企業にする必要があったため、とにかく中国人を社長の職に就け、日本人を実務を担当する責任者としたわけです。
ところが、中国人社長が行政当局と話をつけて、日本の投資家の権利を一切奪ってしまうといったことが日常茶飯事のように繰り返されました。
このような経験を下に、日本人投資家も黙ってはいません。工場建設から、中国で製作した商品を中国でいかに販売できるかといった方向に転換しています。
今や、中国は世界の工場から世界最大の消費市場に変貌しています。ですから、税理士事務所のお客さんが中国で儲けられるかをコンサルできるかが問題です。
個人的に中国人が嫌いとか言っている製造業の会社経営者では、退場を余儀なくされるでしょう。もう日本には成長する市場はないのですから。
それほど日本の少子高齢化は深刻な話です。ついこの間まで、日本のGDPは米国を上回るだろうといわれていましたが、中国にその地位を奪われました。
今後20年間は中国を上回ることはできないでしょう。そうなれば、市場を中国の求めるしかないでしょう。それをコンサルできない先生に未来は??
先生ご夫妻が生活できる日本の市場はもちろんありますが、10人、20人と職員を抱える事務所の将来はいかがなものでしょう。先生の経営手腕が問われます。
とにもかくにも、税理士さんにも、その事務所に働く職員の皆さんにも非常に厳しい現実が待ち構えているのが現実です。
事業承継支援室長
大滝二三男