昔の話ですが、会計事務所に勤めるのは、営業職に向いていないから、という”常識”がありました。
税理士さんもまた、机に向かっている仕事で、外に出なくていいし、営業をしなくてもいいから、併せて、国家資格として社会に認められるから挑戦した、と。
でも、現実はそうではありません。
税理士事務所の”商品”は税理士である所長さんです。もちろん、営業の不得手な職員さんはお得意さんの顧問先では”商品”になりますが、新規開拓ではほとんど戦力になっていません。
一般的に、社長と専務と情報力を比べてみると、ほとんど90対10、または95対5と圧倒的に社長への情報の集中が行われます。
情報提供者も、その相手が社長という最終決定権者であれば、それなりに適正な情報を出します。でも、その相手がその一歩手前であれば、口も閉まります。
そんなことから、中小企業であれ、大企業であれ、社長が情報収集に熱心で、多くの情報提供者と丹念に会うことで、大きな戦力となります。
これと同じように、会計事務所の場合、いかに優秀な担当者でも、早々、顧問先の社長と仕事を離れての情報交換はほとんどありません。
ですから、営業能力に秀でた人材をリクルートしたいとしても、税理士事務所の職員をリクルートし、営業担当とするにはかなりのリスクがあります。
でも、自分は営業能力はないと言っていた人ほど、基本的に営業力があることも証明されていますので、そんなに”卑下する”必要はありません。
いまや、営業力のない税理士は衰えるのみ。戦線を拡大し、所長だけでなく、営業戦略をしっかり持っていない事務所は早晩、成長ストップ、見えるようです。
結論から言えば、営業力のない税理士は独立せず、勤務税理士として、能力を十分発揮し、最終的に所長から事業承継を依頼されることこそ、本望のはず。
そうです、素直に先生のこれまでの実績と歴史を引き継いで行きたいと、はっきり言うのも、礼儀ではないでしょうかね。これからの5年間は、、、。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。