15年ほど前にインタビューした銀行OBの税理士さんの話ですが、「銀行マンのときは税理士さんの判が押された決算書には少なからず目を光らせていたが、これほどまで経営者が粉飾に熱心(笑い)だとは思わなかった」とか。
当時はまだ銀行の監視(?)の目は厳しくなく、税理士さんがはんこを押しているのだから信用できるだろう程度の話。しかし、現在はどうだろうか?当社事業承継支援室で扱った案件でも粉飾希望(?)顧問先があるという答えも。
そのような企業を顧問先にしませんという税理士さんが増えているため、当然当社でもこのような企業の紹介はしないよう譲り渡し希望の税理士さんにお話をします。これに応えてほとんどの方、顧問契約を打ち切った上で承継します。
しかし中にはチェックが甘く、粉飾希望の企業が顧問先とそのまま承継先税理士さんの指導を受けることになります。銀行との取引を継続しなければ倒産してしまうということで改めて粉飾を望むが、税理士さんも悩むが答えはノー。
こうなると、粉飾に応じてくれる税理士さんを探すことになるが、今の時代そう簡単には問屋が卸さない。やはり、このような企業を”育てて”しまった税理士さんの責任は重いことは確か。
「社長、私も税理士を辞めるから、もう粉飾は止めてください」なんて青臭いことは言えませんということになるだろうが、何とかこの粉飾の鎖を断ち切らない限り、社長さんも思いっきり活動できないのではありませんか?
弊社事業承継支援室では、このような粉飾大好き企業は承継対象から外すようお願いをしていますが、いかがでしょう。もちろん、ほとんどの先生方がこの要請に応じていただいています。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。