税理士会で斡旋する事業承継は、相互扶助の考えから、承継の対価はなしと考える。
助けを求める人がいるから、それの手助けをする税理士に資金を提供する義務はないという。
しかし、利益を売るのは、誰なのだろうか。
顧問先を、赤字になってもいいから手に入れたいという税理士はいないはず。
少ない資金で顧問先が手に入るから、税理士会の世話になるというのがほとんど。
いや、下卑たことを言うのであれば、税理士会の役員になるのは、顧問先が手に入るからだという。
これを権益だと、はっきり言う税理士会の幹部もいるのも事実。
昔から、このことは暗黙の了解事項のようだ。
先だっても、税理士会の役員をやっているという税理士と交渉したが、「お金を払ていない人もいる」
多くの税理士会が斡旋する顧問先の承継は、お金が動かないのが普通のようだ。
それでは、顧問先を失う税理士さんは、それでも満足しているのだろうか。
税理士さん以上に不満足なのが、税理士さんのご家族。
数年前であったら、何も不満がなく、税理士会の支部のお世話になったであろう。
でも、弊社以外にも多くの仲介業者が出てきたことにより、先生方も承継でお金が動くことを知った。
唯一の機会だから、お金になるならそうしようというのも、当然と言えば当然。
税理士会の役員だけの権益と言っている時代ではない。
でも、お金を払う税理士さんも、これまでの”伝統”を知っている人は、投資と言う考えではない。
自らが作り上げた事業でも、ほとんどが事業拡大のための投資と考える人は少ない。
これからはどうでしょう。それなりの事業を拡大するためには、投資が必要でしょう。
若手税理士事務所の経営者は、それが分かっていますから、お金は投資します。
時間を買うのが今の事業承継です。予算を計上できない経営者には無理かもしれません。
事業承継支援室長
大滝二三男