改正貸金業法による総量規制に関する不思議な話。
不動産業界の人と話をしていて、競売・任売物件の動向予測を聞いていたところ、こんな話を聞きました。
家計を支える亭主の収入が、減っているのは事実。少なくともボーナスのカットや減額は普通の話。これを一時的に支えているのは、そのご主人や奥さん名義の個人借入れ。
要は、住宅ローンのボーナス払いを、これでしのぐわけ。でもこの総量規制で、年収の3分の1に借入上限が規定されると、亭主の名義だろうが奥さんの名義だろうが、カードのキャッシング枠もろとも潰されてしまう。
つまり、この冬のボーナスまでにローンが払えなくなり、マンションや戸建てを手放さざるを得ない、ということ。今の環境では闇金もかなり厳しくやられているので、逃げ場なく、法的手続きに進む事案が急増するのでは?という話。
そんな話を、某社長と話していたところ、この総量規制は、当然、すべての顧客に遍く及んでいるということ。つまり、法人経営者であっても年収に応じて、追い込みをかけられてしまうということ。
オーナー経営者にしてみれば、役員給与をいくらにするかなどというのは、これまでは法人税率と経営者としての事業方針により適切な割り振り判断で考え、真面目に給与を酢少なくして、会社に蓄積しようとした人ほど、ここにきて、個人の調達枠が急減する羽目に追い込まれるということになります。
会社経営者であれば、当然に、緊急事態にあたっては、個人の手許での調達枠は、永く経営していると、一度や二度は使うことになる、伝家の宝刀。でもこれが、無くなってしまう。
金融行政は何を見て、何を救い、何を見失っているのでしょうかねぇ。相談相手の税理士さん、さてどうします。「返済は計画的に!!」なんて言ってられまえん。あなたの顧問先がどんどん消えて行きますよ。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。