前回書きましたが、「親の心子知らず」が通例ですが、本当にそうだろうかと疑いたくなる事例に出会いました。
会計事務所のお客さんである中小零細企業の経営者が悩んでいることは、もちろん売り上げが上がらないことが第一。どんな対策を打てばいいのか暗中模索。
こんな企業の経営者のお子さんたちは、父親の背中を見るうちに、同じ仕事にはつきたくない。つまり親と同じような苦労はしたくないと思うようになる。
親の仕事ぶりを見ているうちに、親の仕事はしたくないと思うようになってきてしまうので、親である経営者がどんなにおいしい話をしても納得はしない。
この数十年間でおいしい思いをしている親にとっては、今の大不況はまもなく終わると楽観的に見ているが、それはわが道をついでもらいたい親の勝手な話。
子供たちは、親のいい時代を冷静に「今後はもういい時代にはならないし、引き継いだとしても苦労の連続だ」と考えるから、親の仕事は継ぎません。
だからといって、その子供たちが楽な道を探せるわけではないことを、彼らは知っているのだが、そのことを案ずる親の干渉はもってのほか。
自分が苦労したことを経験せずに楽な道を歩まそうとするのが通常の親。でも、そんな親御さんの提案を断る勇気を持つのも最近の若者たち。
苦しい時代、失われた10年、20年を経験した若者たちがこれからの時代を作るのでしょうね。こんな若者たち、他人に承継させるのもいいでしょう。
今週は休むつもりでしたが、本日だけは臨時発行です。来週の17日からの再開ですので、お許しください。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。