熱帯夜が続く中で、初めてエアコンの中で眠れるようになった時は実に天国のようだった。それから20年、今では一日中27度以下の中で生活し、仕事もネクタイなしでも過ごせるようになっている、実に快適な生活環境である。
現在の税理士業界を見るとき、お客様より安定した経営環境のなかで、しかも高齢の先生方はすでに資産はたっぷりため込み、孫子の代まで安心して生活できるという先生方も少なくない。やはり、実に快適な生活環境にあるというないだろうか。
そこで、事業を拡大していかなければ自らの生活もそして社員の生活も良くならないと考える税理士さんも出てきそうだが、当社にご相談いただく先生方の多くが、経営者の発想からの事業拡大ではなく、何となく大きくならなければ将来はないのでは、とお考えだ。
ゴーイングコンサーンという言葉が一時流行ったが、自分一代のことしか考えない先生に企業経営者の相談に乗ることが果たして良いのだろうかといった疑問を感じさせる先生方も少なくない。やはり、事務所もゴーイングコンサーンでなければならないはず。
それ故、税理士法人制度ができたはずだが、まだまだ法人化へのハードルも必ずしも低くなっているとは言い難い。無限連帯責任という制度そのものもそうだが、先生方の職人気質がそうさせている面もある。
弊社で事業承継を依頼されたときにも税理士法人化が一番事業承継になじみやすいことをお知らせするが、言葉の上では先生方もご理解いただけても、現実にはやはり税理士法人はいやだという先生方が多い。これも自らの立場を守るためのもの。
充分潤った先生方が最後に事業承継で自らの税理士生活からハッピーリタイアをすることの難しさがここにあるのだが、顧問先はゴーングコンサーンなのだから、その手助けをすることを忘れて御身のことばかりを考えるのはいかがなものか。
とはいえ、先生方のご要望を充分お聞きし、その意を汲んで動くのが我が社のコンサルタント。もちろん、先生の無理を承知で時には話を推し進めることもありますが、相手のある藩士だけに両者の意見を充分汲み取って話をまとめますので、どうかご安心ください。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。