つい数年前まで、日本からの資金流入を期待していた中国企業は雲霞のごとくあったが、今では日本の不動産を求めて大量の資金が流入する有様。
多くの会計事務所が顧問先から中国進出に関する参考意見を求められ、中には顧問先の社長さんと中国に行って、工場の立地などの調査に協力した先生たちも多いはず。
中国に進出したのは良いが、最初は経済特区をあてがわれ、合弁企業として税金なども優遇されたものの、現場を任せていた中国人に騙され、大損した経営者も少なくない。
失敗するにはそれなりの理由があり、たとえば中国語を一切覚えようとしない日本人の現場責任者が高給を取り、現地の労働者から反発を受け、帰国せざるを得なかった例も。
日本企業が威張れたのも一瞬か、今では中国人の市場経済のなかに日本企業も吸い込まれ、中国の市場がなければ吹っ飛んでしまう日本の大企業も少なくない。
そして、こんなに早く”元”が日本の市場経済を圧倒する勢いになるとは、あの米国かぶれの”市場経済絶対信奉者”竹中平藏さんも気づかなかったのではないでしょうか。
もちろん、成熟した日本経済においては中国以上の経済規模を再構築するのは今後無理であろうし、日本国内の製造業はまさに若い労働者不足と高コストで存在自体が難しい。
ブランドを持っている日本企業の買収は続くだろうが、これも大半はメイドインチャイナで、中国企業が中国で生産したブランド品を中国で販売。日本には資金は落ちません。
必然的に税理士事務所の安定的な高収益顧問先は減少し、日本に進出する中国企業を顧問先にしようとしても、納税意識が低く、顧問先にはしにくい。日本人の新規開業ヤ-イですか?
中国人の優秀な税理士が大量に働き出し、日本に進出した中国企業は日本の中小企業を傘下に収め、国内の中小企業の税財務会計は彼らが一手に握る。そら恐ろしい光景ですね。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。