税理士さんが引退を考える時、単純に事務所を知人などに引き渡すのは、多いかもしれない。
そんな案件は当方が仲介することはありません、当然のこと。だから、「かもしれない」となる。
とは言うものの、たまに、参考意見を求められるが、その際、職員の雇用問題を訊くことになる。
自分が辞めれば、事務所は閉鎖。当然、職員は路頭に迷うことになるが、それだけは避けたい。
知人が職員全員を雇ってくれれば、心配することもないのだが、そう簡単なものではない。
お客さんは引き受けるが、職員の面倒は見れないから、引き渡す先生に処理をお願いする。
そうなると、所長は職員の意見を聴取しなければならないので、重い腰を上げることなる。
職員が年金を貰っていれば話は早いが、50代の男性だと、話は厄介なる。
そんな職員は同僚を誘い、所長にもう少し、事務所を続けるよう説得をする。
これまでの経験で、職員がまとまって、所長に対峙した場合、承継を諦めた例もある。
しかし、職員の雇用が約束された場合、事前に経営統合の計画を職員に話しても、反対は少ない。
多くの場合、経営統合契約に合意し、最終決断を職員に話す。その場合も職員も所長にしたがう。
所長自信が不安を感じていれば、その雰囲気を感じ、所長に思いとどまるよう意見を述べる。
いずれにしても、職員のためにも、経営統合が最適だと判断すれば、敢然と突き進むべきだろう。
事業承継・M&A支援室長
大滝二三男