世界野球選手権（ＷＢＣ）16日の対キューバ戦はイチローが活躍しなくても、侍ジャッパンは強かった。その勝因は、なんと言っても松坂（レッドソックス）に代表される投手力が一番。松坂の後、沢村賞投手の岩隈、馬原そして抑えのエース藤川と並ぶとさすがの強打キューバも沈黙。本当に強かった侍ジャッパンだが、、
各国代表を選出する際には、様々な問題があったようだが、日本も同じ。中日ドラゴンズが一人も出さないという選択も今となっては忘れられてはいるが、もし侍ジャッパンが連覇するようなことになると名古屋から落合監督に非難お声が大きくなるであろうことは想像がつく。とにかく、数年前の日本ではとても考えられない選択でもあった。
それというのも、一球団が勝利するためには大事な選手を出したくないと考えるより、代表に球団から一人も選ばれないことのほうが問題で、一列横並びでなければ世の中うまくいかないと旧世代は考えたが、ここ数年世の中の風潮が変わり、企業を含め自己が生き残るためにはどうするべきかを考えるようになっている。
このような社会状況の中で、やはりスポーツ、団体競技の世界では、各選手の役割分担がしっかり把握され、それに沿った活躍があってこそ、チームが機能する。そんな中でメジャー中心の米国が綱渡りをしてきたが、これも個人意識の強い米国人は短期的なシリーズでは十分にチームとしての力が発揮されない傾向にあります。
また、スポーツ以外でもも共同体意識が薄くなっていることも事実で、もっとも。建設土木業界の談合体質はなかなかなくならないものの、Ｍ＆Ａなどのより強き者が弱き者や後継者のいない業者を傘下に収めることにより業界の再編を加速するようになっている。これも各企業が生き残るためにどうするかの選択から生まれたもの。
わが税務業界を見てみると、国税当局はもちろんチームで業務を遂行し、当然そのトップはキャリア官僚。キャリアが修業時代に部下として仕えた職員の出世も、そのキャリア官僚次第で左右されるということは今でも踏襲されている。その一方で、税理士稼業は今でも個人体制だが、時代の波で法人化が進んできた。
これはスポーツの団体競技の世界と同じように、法人化によって、得意分野の専門性が支持され、各分野に強い人が座り、それぞれの事態に十分に対応できる組織がより支持を受け、拡大していくという形が確立しようとしている。これは資格があるなしではなく、各税理士事務所(税理士法人)の提供するサービスの内容による。
競争の世界は今必然の結果として、わが業界にも色濃く出てきている。この変化に対応できない税理士事務所はこれまで以上に”家内工業”として、生活のための事業となり、向上心に燃えた企業にとって魅力のない事務所となっていく。それを避けるためにはどうするか、この5年間できっと業界は大きく変わらざるを得ない。
まさにイチローがイチローらしく活躍し、打点の多い選手がそれなりの打点を稼ぐ、同時に投手陣が自分の力を十分発揮し、先発、中継ぎそして抑えが期待されたとおりに活躍するとき、侍ジャッパンが連覇という栄誉を手中に収めることができるはず。それと同様な組織に税理士業界が脱皮できるか、それも果たして何年かかるのだろうか。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。
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