税理士法人との経営統合を考える、事務所経営40年の税理士の一言。
確かに本部の経営方針が゛強行゛されれば、そうなるでしょう。
しかし、現在行われている経営統合では、一般企業とは異なります。
支店となった後、直ぐに先生がいなくなったら、どうでしょう。
一般企業の経営統合では、社長は退任し、後任の経営者が着任します。
それでも組織として動きますから、企業活動には、それほど影響ありません。
しかし、個人企業の税理士事務所は、組織的な動きはできていません。
所長あっての法人の支店ですから、数年間は所長としての腕を振るいます。
病や体調不良で動けなくても、40年の歴史は早々変わりません。
その歴史を活かしてこその支店化ですから、先生の重石は重要です。
法人の職員となる職員にとっても、先生・所長が頼りです。
ですから、法人の本部も大幅な職員の異動なども控えます。
というより、従来通りの業務を担当し、顧客に迷惑はかけないようにします。
支店化してサービスが低下したのでは、本末転倒です。
個人事務所以上のサービスが展開できて、初めて顧客から評価されます。
所長に顧客から「法人になって良かったですね!」と言われれば、本望。
本部とともに、それまで以上の業務に励むことになるでしょう。
先生の権威が下がることはありません。
でも、引退を考えている先生は業務をセーブし、じっくり構えましょう。
事業承継・M&A支援室長
大滝二三男