70代前半の税理士、会社員勤めから試験に合格し、30代後半で開業。
会計業務以外に顧問先の経営問題にも、熱心に対応してきたと言う。
そのためにも、顧問先の業種に精通するための努力も惜しまなかった。
顧問先に自分で十分な対応をするため、顧問先も絞ってきた。
従業員に担当させるつもりはなかったので、パートしか雇わなかった。
若いときはそれで済んだが、体力の落ちた今、引退も考えるようになった。
お客さんを知人の税理士に渡せば、直ぐにも引退できるが不安は残る。
そこで、眼鏡に叶う若手税理士に引き継ごうと考え、仲介を依頼。
当支援室のリストに、40代前半の国税出身の税理士が登録されていた。
国税専門官として16年、法人の調査などを経験、5年前に退官、税理士登録。
税理士事務所では、30数件の法人・個人を担当し、経験を積んできた。
そろそろ独立したいということで、当支援室に登録。
そんな時、若手を望む前述の税理士の依頼があり、この勤務税理士を紹介。
早速、面談となったが、件の税理士はOB税理士のキャリアは、全く無視。
税務ばかりやって来た人に、経営問題の相談には対応できない。
自分は顧問先の業界問題も研究し、社長たちの悩みを聞いてきた。
簿記・会計の試験に合格していても、経営問題は別のこと。
さらに、法人税か所得税の試験合格は、税理士としての最低条件。
だから、OB税理士には、お客さんを任せることはできない。
職員を教えることのなかった先生、数少ない顧問先は家族以上の存在。
たまたま、OB税理士を紹介したが、たぶん誰にも任せられないだろう。
そう結論した当支援室では、先生の了解を取り、紹介業務を打ち切った。
それにしても、国税出身税理士への゛反感゛は思いのほか強かった。
今後の業務に参考にします!?
事業承継・M&A支援室長
大滝二三男