顧問税理士を雇う場合、実務だけで選択すれば、国税OBを選ぶだろうか?
答えは、多分ノー。その理由は誰でも分かること。
かつて、優良申告法人制度という、税務署から表彰される制度があった。
この制度の趣旨は、長年適正な申告に対して、当局が感謝するもの。
しかし、実際は定年後、税理士になる幹部職員の顧問先対象社。
国税OBを顧問税理士として迎いれる企業は、当局の覚えを考えてのもの。
当然そこには、当局の゛深い思いやり゛を期待しているに違いない。
もちろん、納税者が税務署を飛び越えて、国税局の幹部との交渉は不可能。
もし、それが可能であれば、そこには政治家の働きけがある。
今から40年以上前だが、東京国税局でよく自民党の代議士を見た。
彼は大蔵省出身で、田中派5奉行と同格の重鎮。
なぜか、大蔵省でも力があるはずだが、東京国税局に出向いていた。
多分、関係企業の税務署の処分に、政治力を発揮していたのだろう。
当時は、それが当たり前で、政治家も行政当局に大きな声をあげていた。
それでも、政治家にもそれなりの分別はあったように思える。
力のある政治家が、自分が良しとした案件には、十分配慮をした。
誰にも後ろ指を指されない用心はした。
しかし、今はキャリアの役人も脇が甘く、政治家の思いを受け入れいる。
我が国の舵取りをしているというキャリアの、熱き思いは、今は昔。
忖度だけが、自らの役人生活を全うできる手段とでも考えているのか。
キャリア官僚の存在は、知る人ぞ知る。
でも、国民が彼らの存在を知り、彼らを国民が評価する、
そうすることで、国会議員の横槍を防ぐことができるだろう。
事業承継・M&A支援室長
大滝二三男