事業承継の業務を始めた11年前、同じような話がありました。
その方の場合は、息子さんは事務職員だが、資格がない。
所長である自分が仕事ができなくなれば、事務所は閉鎖。
そうなると、息子の生活もの糧がなくなる。
そうなる前に、資格を持つ女性を嫁さんにもらいたい。
そこでなんとか、女性税理士を紹介してほしい、というものだった。
相談者の都合のいい話ではあったが、親しいの税理士に訊いてみた。
答えは当然、「そんなとこに嫁にいく、女性はいませんよ。」
例え、息子さんが税理士であっても、親が所長の事務所には行かない。
自分の親が所長で、自分が親元で仕事をする女性税理士はいる。
そこに将来事務所を引き継ぐ予定で、婿さんが事務所入りすることはある。
実は、今日も久しぶりに、嫁さん探しの相談が来た。
74歳の先生、息子さんは39歳の国家公務員・資格あり。
先生の事務所は関西、息子さんは東京勤務。
嫁さんに来てくれれば、親の事務所で働いてほしいという。
「え、え、結婚された途端に別居ですか?」と訊く。
答えは「そういうことになりますね。」
こんな条件で、誰が嫁にいくでしょう。
自分のことだけしか考えていない先生に、「難しいですね」と返事。
息子さんが公務員を辞めて、事務所は継がないのか、訊ねる。
その答えは「分からない。」
夫は事務所を継がなければ、事務所経営は嫁さんに託される。
自分はまだ10年は大丈夫だという、そんな姑の下で仕事ができますか?
あり得ない要望に、今回もはっきりお断り。
自分で嫁さんを探しなさいと、国家公務員の息子さんに申し上げたい。
婚活の相談は、当支援室行っていないので、よろしくお願いします。
事業承継・M&A支援室長
大滝二三男