電話の主は、首都圏の60代後半の税理士。
職員が帰る夕方5時過ぎに来てもらいたいという。
約束の日、夕方5時5分頃に事務所のベルを押すと、先生がドアを開ける。
挨拶を終え、話し始めると、何と既に法人の顧問先を引き継ぎ済み。
引き渡したいとの話だったので、その相手を探しているはず。
そう思ったのはこちらの勝手、先生の思惑は違った。
相手をお探しですよねと訊くと、概ね支部長にお願いしましたとの回答。
何のために呼び出されたのだろう?
わざわざ来る必要があったのか?
何と顧問先のほとんどは引き継ぎ済みだが、まだ仕事を続けるという。
事務所経営とともに、親の仕事を引き継いでいるという。
そちらを辞辞めるつもりはないので、その経理をやらなければならない。
併せて、自分でなければダメだというお客がいるので、その経理も見る。
だから、税理士を辞めるつもりはない。
だったら、支援室に何を依頼されるのか、訊いた。
なんと、現在の職員2名は辞めるので、パートでも良いから職員がほしい。
自らでは探す宛がないので、サポート願いたいというのだ。
当支援室の仕事は、承継の相手を紹介すること。
実際その説明をしても、反応はさっぱり。
職員を紹介してほしいと言うのみ。
とんだ行き違いだが、電話段階で判断できたはず。
当支援室にはそんな相談はないはずと、思っていたのが最大の間違い。
今後は、こんな相談も多くなるのだろう。
相談体制もしっかりしないと、時間を無駄にすることになる。
今回は多いに反省した次第。でも、相談者は真剣でしたね。
事業承継支援室長
大滝二三男