後継者がいない事務所では、そもそも育てていなかったというのが現実。
昨日お会いした先生も、40年近くの事務所経営で税理士は不採用。
税理士は自分一人で十分、若い税理士を育てる気はなかったという。
若い時は、ひょっとすると子供が後を継ぐかもと漠然と考えていた。
女の子でも彼女が税理士でなくとも、税理士の婿さんを期待できる。
なかには、娘さんを監査法人に勤務させ、婿さん探しをさせる先生もいる。
実際に、公認会計士と恋に落ち、結婚、その後の婿さんが事務所入り。
見事、自分の゛財産゛を娘夫婦に引き継げた先生は大満足。
娘さんが親の思いも分からず、父親と無関係の仕事を選択。
こうなると、見合いに可能性を求めるのだが、大方失敗に終わる。
そうこうしているうちに、娘さんもなかなか結婚せず、先生は老齢化。
結果、出入りの業者などの若い税理士はいないかと声を懸ける。
具体的に希望を言うわけではなく、話を聞く業者も本気度が上がらない。
ぐずぐずしている内に、事務所の勢いもなくなってくる。
こうなると、優秀な税理士も見つけにくくなり、実際に税理士は来ない。
かつて60歳そこそこで事業を譲った先生は、「一番良いときが売り時」と。
実際に売り上げが最高になっていた時に、この先生は手を離した。
今は名前は残しているものの、経営には一切タッチせず、悠々自適の生活。
これに対して、冒頭の先生は70歳を迎え、売上も最盛期の半分に。
事務所出身の税理士はゼロで、若い先生を探す伝もない。
このような先生の下で事業を承継する若い先生が、見つけられるのだろうか?
当支援室では、直ちに調査を開始し、それなりの人材を確保できた。
しかし、先生が採用するかどうかは、これからの話、さてどうなるでしょう。
いや、若い先生が依頼主を認めるかどうかの方が、問題でしょう。
年を越えるでしょうが、結果はしっかり報告いたしましょう。
事業承継支援室長
大滝二三男