事業承継を思い立っても、個人の名前が消えることには抵抗がある。
でも、個人の税理士が引き継ぐとなると、名前は相手の名前になる。
これには抵抗しようがないは、個人名を並べる手はある。
いわゆる、共同事務所となるわけだが、お金が絡むと共同もできにくい。
税理士法で、個人事務所には税理士の名前を入れなければならない。
だから、相手の名前に抵抗のある税理士は、経営統合にはハードルが高い。
また、税理士法人が交渉相手で、代表の名前があると、これも抵抗に。
というのも、個人名がついた法人に吸収されたと思われたくない。
顧問先から、事務所を売ったんじゃないのと言われたくないのだ。
相手が業界で一、二を争う法人であれば、そんな噂も立たない。
しかし、法人でもトップランクにない場合には、あまり評価もされない。
どうして先生の名前がなくなったんですか、もうやる気がないんですね。
でしたら、うちも勝手にします、新しい事務所にお世話になります。
こんな具合にもなりかねない。
経営統合法人が、統合を機会に名前を変えるなら、これは大助かり。
それも個人名がなければ、なお結構。
とは言うものの、経営統合を機会に名前を変えるケースは出てきた。
経営統合される立場からは、これは大変ありがたいこと。
それも、将来の発展をイメージした名前、抽象的なものは大歓迎。
ともに生きていこうという姿勢が表現されていれば、なおのこと。
これからの経営統合では、こういったケースが増えてくるだろう。
でも、米国流であれば、創業者の名前は残し、100年企業を目指します。
どちらにしても、承継者と共に更なる繁栄を目指す、生き残りだ。
事業承継支援室長
大滝二三男