個人事務所でも職員が10名を超える場合、記帳代行業務はパートさんが担当。
外回りの職員が記帳処理をすることが少なくなり、顧問先の経営状態の把握に注力。
とかく、税理士事務所の職員は残業が多いといいますが、その原因は記帳問題。
しかも勤務税理士までも、この記帳処理をするようですと、コスト倒れになることも。
中には記帳をすることで、顧問先の状態を知ることができると勘違いしている職員も。
ある税理士事務所では、顧問先から毎月の資料を回収するのは、外回りの職員。
この職員が事務所の帰ると、集めてきた資料などは、会計法人に回す。
それを受けた会計法人の職員(メインはパートの職員)が、記帳業務を行う。
打ち出された数値を基に、月次決算などを検討し、顧問先の経営状態をチェック。
それを所長らと検討し、問題点が分かれば、その解決策を顧問先にフィードバック。
決算書が読めない社長さんたちが多いところから、経営進診断が担当職員の仕事。
自らが顧問先から回収した帳票を打ち込むことは、重要な業務とは考えない。
自計化が進んでいる事務所で担当者が行うことを、同じように行うまでのこと。
もちろん、帳簿付けと税務申告だけを仕事と考える事務所もある。
しかし、無料のクラウド会計ソフトが出回り、これを使える顧問先は確実に増えてくる。
その時、生き残れる事務所となるためには、記帳代行中心では、リスクがいっぱい。
時代は変わってきています。当然、職員の業務内容も変わらざるを得ません。
高付加価値を狙っている事務所では、日々の会計処理の中からも”未来”を予測します。
顧問先が10年、20年健全な形で生き残るための方策をアドバイスします。
そのためには、職員の教育も必要ですし、職員の意識の変化も要求されます。
元気な事務所では、そんな流れがここ数年盛り上がっています。
経営環境が厳しくなる一方の税理士業界では、業務格差が命取りともなるでしょう。
事業承継支援室長
大滝二三男