税理士事務所にとって、確定申告は年収の1割を超える大事なイベント。
年末調整から確定申告まで一気に事が運ぶような流れになる。
電子申告が普及してから、3月の期日まで確定申告業務を行っている事務所も減った。
深夜になるまで残業が続く確定申告”地獄”は、今は昔になりつつある。
事業承継にとって、顧客との接触ができる時が、一番のチャンス。
年に一度しかない申告の機会に、新たな税理士を紹介するには、実は絶好の機会。
これを逃すと、1年後に初めて承継者と会うことになり、お客さんにとっても気が乗らない。
一番忙しい時に初めての面談をすることで、印象も強くになるはず。
ところが緊張する時期を逃し、ほとんど会う機会がなく、その1年後の面談は?
そう、今相談されている案件では、1月1日の承継で話が進行中。
というのも、お客さんのことを考えると、確定申告を前に会うのが一番良いという結論。
お客さんの情報も確定申告でわかるし、お客さんも新しい先生の対応が分かる。
たとえ、この最大の収入が得られる時期だが、引継ぎを考えると、この時期を逃す手はない。
引き継ぐ事務所も大忙しだが、そんな時に大イベントをこなすことで、事務所の力もつく。
とかく、保守的な職員でも、新たな取り組みができるとあれば、士気も上がる。
面倒なことはやりたくないという職員は、そんな環境で居場所を失っていく。
できる職員、やる気のある職員を見つけられるのも、こんな時期かもしれない。
答えはいつも"no"を用意している職員には、厳しい環境になるかもしれない。
いずれにしても、この最悪の時期を乗り切った時、事務所は成長しているはず。
弊社が受けている今回の2案件も、実は来年1月1日のスタートで話がまとまった。
両事務所とも、大変な時期での事業承継。職員の苦労は計り知れない。
事業承継支援室長
大滝二三男