かつて事業承継の相談があった税理士さんから、電話がありました。
この事務所の事業承継は、先生はは実に積極的でした。
年齢も75才ということで、限界をご自身が感じていました。
当支援室に相談されたときも、引き受け手を探しているということでした。
そこで、最適と思われる相手を紹介して、面談も実施。
先生は納得も、会計法人を主宰する先生の息子さんは腰が引ける。
そう、会計法人の経営ができなくなると、生活資金に困るという。
お子さんが多く、なかには養育料を払わなければいけないお子さんも。
あくまでも、会計法人から上がる収益はお子さんが自由にする。
これが最低の条件ということでは、事業承継は、ほとんど不可能。
その時点で、当支援室との話はストップ。
それから3年、そう先生からの電話が来たのです。
事務所はどうなったのかと聞けば、息子さんがやっているとのこと。
??、息子さんが資格を取ったのか、いや、若い税理士と一緒になったという。
顧問先を息子さんがそのまま維持し、税務だけは税理士に委託している。
やや危ない構図が見えて見え隠れします。そう、名義貸しです。
相手の税理士は合格間もないといいますから、実務はほとんどわからない。
税理士の指導・監督の元で、税務申告書などを作製できているのか。
たぶん、会計法人がリードする形で、税理士業務が行われているはず。
なんとも危ない事務所経営ではありませんか?
それにしても、こちらの勝手な想像だという結論になることを願うばかりだ。
引退した先生も、息子さんがそんな状態であるとは考えていない。
とにかく、こんな案件がこのところ増えていますね。
家業の形を残すのが、一番の原因でしょうね。
事業承継支援室長
大滝二三男