地方から東京へ、それは、経営問題を考えれば、至極当然の答え。
まして、地方から東京の大学に進んだ人であれば、東京での開業も視野に。
当然、地方出身の税理士に顧問を依頼するルートも限られる。
とは言え、税理士事務所は、お客さんと共に東京に移ることはできない。
税理士法人であれば、地元での承継も比較的に楽。
東京の事務所から人材を送り込めれば、承継業務はほぼ終了。
しかし、東京に出てきた若者が税理士になり、果たして故郷に帰るのか?
例え、税理士法人の一員としても、答えは、ノーの可能性が高い。
そうなると、地方の支店の社員税理士は地元在住者になるのか?
しかし、支店の経営を任された若い税理士が、目覚める可能性はある。
地方に派遣される税理士に期待されるのは、経営者としての気づき。
本部にいるときには、自らの判断ではなく、常に上司が答を出していた。
そう、地方の支店の日々の問題は、支店の長が解決するしかない。
この点で、支店長は常に試されることになる。
すべての判断の責任は、若き支店長が負うことになるわけだ。
その時にどんな判断をするのか、支店長を任せた経営者が見ている。
次の経営を任せることができるかどうか、そこを見るのは経営者の責任。
いつかは変わらざるを得ない経営の担い手、見つからなければ組織は終る。
個人事務所は勝手に辞めることができるが、法人はそうはいかない。
次代を任せられる人材を育てること、それこそ現経営者の責務。
それができないないようであれば、次善の選択をする必要があるだろう。
事業承継支援室長
大滝二三男