地方都市の先生から、電話での相談がありました。
税理士の義理の息子と反りが会わず、顔を会わせると言い合いになる。
自分も歳だから、自分で処理できるお客さんだけを残し、独立させる。
事務所を分裂し、婿に出て行ってもらおうと考えている。
こじれた関係を修復できそうもない。
仲間の税理士には相談できないので、事業承継のプロに訊きたいというのだ。
いわく、年長者を敬わない、感謝の気持ちもない、言葉遣いがぞんざいだ。
話をすれば食って掛かってくる。終いには独立を匂わせる。
聞けば聞くほど、どうやらどっちもどっちの様相。
先生の愚痴を聞くだけ聞いたあとに、就業状況などを訊く。
婿さんは40歳、資格は4年前の取得だが、会計事務所歴は15年。
法人・所得・消費税など税務はもちろん、職員と指導や採用なども担当。
副所長として、十分過ぎる仕事を立派にこなしている。
その給与を訊いてみると、30代中盤の職員より若干高い程度。
義理の父親に「お義父さん、給料あげてください」と素直に言いにくい。
仕事の内容から考えると、婿さんの言い分も納得できる。
ネックが双方が素直になれないこと。
税理士としての大先輩であると同時に、女房の父親だけに甘えられない。
婿さんも如才のない人なら直ぐにも話ができるだろう。
残念ながら、口数も少なくとも、言えばぶっきらぼうな言葉遣い。
これに義理の父親にもカチンとくるのだが、ここでひとつの提案。
婿さんの給与を大幅に上げなさい。先生より高くても良い。
娘さんも同席させて、大幅な給与をアップし、期待している旨を告げる。
それでも満足しないのであれば、独立させる。
実はお金の話ほど、すんなりいかないのは誰もが知っている。
それが家族であればあるほど、話はややこしくなりますね。
こんな話で終わったが、果たして結論はどう?
事業承継支援室長
大滝二三男