税理士会の活動に熱心な先生も少なくありません。
そんな先生は当然、会の役員に選ばれます。
役員なれば、当然会活動のために”時間”を取られます。
事務所の業務にも、会活動を重視すれば、支障も出てきます。
その一つが、職員に実務を任せることが多くなることです。
任せているからいいでしょうでは、今の時代は通りません。
職員に日々の帳簿から決算、そして税務申告の作成、これを任せていませんか?
先生の指導の下に行われていれ、各段階で所長がチェックしていれば問題なし。
しかし、日ごろの会業務が多忙のために、職員に任せたままであれば、これは大問題。
というより、実はこのような事務所は、かなり多いようです。
先週も、そんな”税理士会第一”の先生から相談を受けました。
長年、税理士会の役員として尽くし、結果、業務は職員の自由になってしまった。
しかも、職員が作成した申告書をチェックすることなく、電子申告をしてしまっているという。
というのも、税理士会の役員として、20年近く事務所を”不在”にすることが多かった。
その結果として、業務を職員任せにし、顧客も職員との関係に満足してしまった。
職員がどんな経理をし、申告をしているのか、税理士として指導・監督の自信がない。
まさに、当局が告発する名義貸し状態なのだが、法律を逸脱しているのは分かっている。
しかし、それを理由に事務所を閉鎖すれば、彼らの生活は一変してします。
最終的には、彼らの自由な仕事を許し、当局の指摘があれば、甘んじてその処分を受けよう。
職員もそれ相当の年齢になっているので、若い先生の事務所で働くのは難しい。
それなら、税理士法違反の問われるのは自分だけ。職員は処分なし。
実は、初めての告白でした。
病気で事務所を閉鎖するしかない先生は、職員の生活を考えると、良い相手はいません。
しかも、勝手な仕事を許された職員が、厳しいチェックを要請される事務所に対応はできません。
そう、こんな事例が今後増えるに違いがありません。
事業承継支援室長
大滝二三男